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海に開かれたアジアの交流拠点都市として着実に成長し続け、アジアの一極をなす都市を目指した取り組みを進めている福岡市。人口は140万人を超え、多様な都市機能が集中する大都市でありながら、身近に恵まれた自然をもち、2000年の歴史に育まれた伝統・文化、歴史遺産なども輝きを見せる。福岡で育ち、福岡の街とともに歩み続ける山崎広太郎市長に、都市の景観づくりに対する取り組みを聞いた。 ◇ ◇ ■都市景観賞継続が大きな財産になる 市民の参加も目に見えるようになってきた。路上の違反広告物を撤去するボランティアの登録員は5400人を超え、まちなみのルールづくり支援センターの設置などにより建築協定や地区計画など住民発意のルールづくりの支援も進んでいる。 「落書きを消す、ゴミを拾う、ピンクチラシを除去するなど多くの活動が市民にひろがっている。美しい街をつくるという意識はさらに高まっている」。住む人、使う人が参加して初めて都市の景観として定着し、成熟していくのだという。 12月最初の日曜日、恒例の福岡国際マラソンが開催された。「美しい部分も多いが、配慮に欠けている部分もある。コース全体を景観区域に指定してはどうだろうか」と、選手を追う目も自然と街並みの方に向く。 「福岡に帰って来る時、飛行機から見える海の中道から能古島、博多湾、福岡市街地へと続く景色に大きな魅力を感じている」という。博多湾をすっぽりと抱き、背後には油山、立花山といった自然豊かな山々が連なる。「都市の身近に自然環境を感じることができる。これが景観づくりの大きな動機付けになっている」と指摘する。 ■歴史残る街並み民間の力で活気 市のプロジェクトとして今もっとも力をいれているのが博多湾に浮かぶ400haの埋立地“アイランドシティ”。「この9月から11月にかけて都市緑化フェアを開催し、100万人を超える人に足を運んでいただいた。まち開きの意味合いも含め非常に高い評価を受けました」と振り返る。緑豊かな“生きる力を呼び覚ますまち”をコンセプトに整備が進む約1500戸の住宅整備“照葉のまち”も人気が高く「新しい都市として大事に育てていきたい」という。 コンテナふ頭はフル稼働状態で港湾機能も大きな活気を生んでいる。“照葉のまち”周辺ではアジアビジネス特区を活用したアジアビジネスの拠点づくりの構想も進む。「福岡が日本を含めたアジアの中でより大きな役割を果たす都市という位置付けのもと、アジアの人も自由に快適に生活できる条件を備えた地区として医療・福祉・教育など新しい空間づくりを進める」 「アイランドシティは時間をかければかけるほど評価は高まる。高い理念をもってじっくりと取り組むことでその価値を高めていきたい」と意気込みを語った。 2005年12月19日付『建設通信新聞』より
高い理念、
アイランドシティの価値高める
福岡市長 山崎広太郎氏
建築家・伊東豊雄氏の設計による“ぐりんぐりん”。アイランドシティ中央公園に建つ緑に被われた丘をイメージした建物は、新しい都市のシンボルとなる
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