既成市街地の用地取得による公園の整備
東京都江東区にある木場は、都心から東に約5kmの位置にあり、江戸から昭和にかけて、各地に木材を供給する「材木のまち」として栄え、最盛期は、600社以上の木材関連会社が活動していた。
昭和44年
江東再開発構想において、木場が防災拠点の一つとして位置づけられ、大震火災時における江東デルタ地帯南部の重要な避難拠点として整備されることとなった。
昭和47年
木材関連企業の新木場へ移転事業が開始された。
昭和52年
木場地区防災開発計画素案が発表。地区の中央部にある都有空地を利用して、面積24.2haの公園を設置、この中に約15haの安全な避難広場を確保し、災害時には約15万人の避難が可能であるとした。
昭和53年
都市計画決定、事業認可告示。
昭和52年度~62年度
都市公園事業としての用地買収
昭和62年~平成4年
用地取得後、河川の埋立、及び江東区道の廃止・撤去の上、昭和62年度より公園整備工事を実施、平成4年6月に都立木場公園が当初開園した。
木場公園の予定地は、既成市街地となっており、木材関連企業の跡地の他、事務所、店舗、社員住宅、病院、マンション、郵便局等の建物が存在していた。
既成市街地後に、公園として広場、植栽、噴水の他、公園のシンボルとして北地区と南地区を結ぶ木場大橋等が整備され、良好な景観が形成されている。
過密既成市街地の中に、河川を埋立て、区道を廃止し、鉄筋コンクリートのビル等の支障物件の撤去を行い、防災機能を備えた大規模な公園を整備した。造成された土地に植栽された多くの樹木が、根付き、大きく育って緑豊かな公園の景観を形作っている。
公園内に都市緑化植物園を整備し、身近に楽しめる植物を知ってもらうための見本園等が設けられている。公園ボランティアにより、都市緑化植物園や園内花壇の日常的な維持管理が行われ、公園内の良好な景観を形作っている。
公園入口広場の中央にはイベント池が設けられ、毎年10月の江東区民まつりに木場の伝統芸である「木場の角乗り」等が行われている。
※木場の角乗(かくのり)は、江戸時代に木場の筏師(川並)が、水辺に浮かべた材木を、鳶口ひとつで乗りこなして筏に組む仕事の余技から発生したもの。これに数々の技術が加わり、芸能として発達した。東京都指定無形民俗文化財に指定。
施設の補修や、植栽管理を適切に行うと共に、公園の指定管理者及び公園ボランティア等と共に、引き続き公園の良好な景観を維持していく。